ピアノの選び方

 point 6. どの販売店で購入すれば良いか

これまでpoint1からお話してきたことを全て踏まえた上で、
可能な限り様々なお店に足を運んで、
様々なメーカーのピアノを弾いてから判断することが大切です。
その上で、どの販売店で購入するかはお客様が決めることです。

とくにヨーロッパのピアノは、調整・調律で驚くほど音色が変わります。
良い技術者のいる店を判断するには、予約した上でお店のピアノを弾きに行くのが一番。
予約してからいくと、お目当てのピアノをきちんと調整した状態にしてご来店に備えてくれることが多いため、
ピアノの本来の能力、音色、またそれらを引き出せるかどうか、技術者の良し悪しを判断しやすいためです。

できれば、次のような話をきちんとしてくれる技術者がいるお店だと安心です。

 1)多くの販売店では、「アップライトピアノは背が高ければ高いほど良い」とされていますが、
   背の高いピアノには、クラシックの名曲を楽しむ上で大切な次高音〜最高音部が音量・伸びともに
   少ないという大きな欠点があります。
   高い音は、広い面積の響板からは出てきません。そのためグランドピアノは、高音部の響板が
   えぐられたような形になっており、響板の面積を狭くすることで高音の音量・伸びが出るよう作られています。
   
   ところがアップライトピアノは、そのような形にすることができません。
   ほとんどのピアノは、除響板という方法で工夫されているものの、限界があり、
   やはり背が高くなればなるほど、高音の音量・伸びともに少なくなってしまいます。
   逆に、低音はパワフルになりますので、低音をより重視される方には良いかもしれません。
   ただし、
クラシック音楽を演奏する上で、多くの曲はメロディーラインとして次高音から
   最高音部を多く使います。

  また、ヨーロッパでは、アップライトピアノは125cmまでが最もバランスが良いとされており、
  実際にヨーロッパでは、高さ
130cm以上のモデルの製造をやめたメーカーが複数存在することは事実です。
   (当店が
130cm以上のピアノを殆ど展示していないのは、このような理由によります
   
 2)ピアノはヨーロッパの伝統楽器であり、いくら高価な国産グランドピアノであっても、
   ヨーロッパ製のピアノにはかないません。ピアノは日本の気候に合った日本製が一番良いと説明する
   販売店に出会ったとしたら、それは単にヨーロッパ製ピアノの知識に乏しく、
   その真価を知らないからに他なりません。
   
 3)ピアノはグランドピアノでなければダメ。と言われるのをよく聞きますが、
   ヨーロッパ製のアップライトピアノは非常に音色が豊かで、伸びがあり、
   日本製では出せない音の世界があります。表現の幅も無限に広がります。
   その良さをご自身の耳で体験せずして、情報だけを鵜呑みにするのはとても勿体ないことです。 

 4)気になるピアノに出会ったときは、まずメロディーラインに良く使われる音を5秒以上長く鳴らしてみることです。
   もし、音が伸びていないと感じる場合は、調整済みなのかどうかを確認して、
   まだ調整されていない場合は、調整後に再びそのピアノを弾きに行ってみてください。
   調整されたにもかかわらず音がすぐに消えてしまうなら、そのピアノは今後も良くなることはありません。
   とくに高音が伸びないピアノはよくあります。1音1音チェックしてみてください。



  

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